最近の古書

最近の古書

矛盾したような題名ですみません。最近は「古書」を購入することが多いのです。古い本の中にも新しい、新鮮な知見が多く見られます。

原色動物大圖鑑Ⅱ (北隆館 1958)

昭和33年の本。西暦に直せば1958年で、筆者の母親が生まれた年である。紹介しているのは魚類と、ホヤなどのグループである。

著者は冨山一郎・阿部宗明・時岡 隆氏。前のおふたがたは魚類のスペシャリスト、時岡氏はホヤなどの専門家ということである。

魚の目は「横口目」や「硬骨目」「全頭目」など6つしかなく、現在の分類とは大分異なるように思える。しかしその情報量は現在の図鑑よりも多いかもしれない。別名も紹介されており参考になる。

本の中にはなんとカラー写真もある。それは熱帯魚のページであるが、海水魚のカクレクマノミもあった。しかもその解説には、「淡水に順化させることができる」などとあるが本当なのだろうか。分布域に「琉球」などとあり、また国名も現在とはだいぶ異なっている。

魚は絵が殆どであるが美しい。ニジハギやセナスジベラなど当時のイラストとしては最高だったかもしれない。最近の図鑑は写真を切り抜いたものが主流だが、このような絵を使った図鑑もまた素晴らしいものだ。この本はいただきものである。感謝したい。

海水魚の飼い方 (ひかりのくに 1974)

こちらは当時としては画期的だったと思われる海水魚の飼育方法。ひかりのくには児童向けの本をつくっている会社ということで、書籍の中には専門的な内容に混じり、児童向けの本にでてきそうな魚の挿絵が出てくる。この挿絵はとても可愛いお気に入りのものだ。

内容は最初の40ページくらいがカラーで魚や無脊椎動物の紹介、それ以降はモノクロで魚類の採集、飼育の紹介。とくに磯採集の項目にも多くのページが費やされている。他、網の作り方や、いけすの作り方。さらには二連球を使用した運搬方法など。特に網の作り方は、採集に使えるしろものではないようなものまで紹介されており、今見ても色あせない。さらに「巻貝の貝殻を飾りにいれるのはなるべく避けるべき」とか、ポップアイ(眼突出)の防ぎ方、遊泳性のサメの運搬方法、魚の手術方法まで、現在の観賞魚の本とは全く違う、まさにマニア、いや水族館向けの一冊だ。それもそのはず、著者の杉浦 宏氏は当時上野動物園水族館で勤務されていた。

今回購入した本には、前のユーザーのメモ書きも残されていた。それで昔は海水魚がどのような場所で、どのような値段で販売されていたかをうかがい知ることができた。デパートの屋上には昔は熱帯魚の売り場があったようだ。確かに私も昔親に連れて行ってもらったと思う。可能であれば、ぜひ手に取ってほしい。古書を扱うお店であれば今でも購入できるはずだ。

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