イソアイナメ(&チゴダラとの見分け方) | 魚のブログ

イソアイナメ(&チゴダラとの見分け方)

最近、珍しい魚を入手した。長いこと探していたイソアイナメという魚である。

イソアイナメは名前に「アイナメ」という名前がついているが、アイナメの仲間ではない。タラ目チゴダラ科の魚である。しかし見た目はよく似ている。ただ、どちらも2基、背鰭をもっているが、イソアイナメの第1背鰭はアイナメよりずっと基底が短い。

「日本産魚類検索第三版」などで、イソアイナメは深海性との記述があるがこれは誤りの可能性もある。私が知る限り鹿児島の防波堤でも釣れているし、浅い海の刺網でも漁獲されているからだ。ただしチゴダラ(浅い海、幼魚はタイドプールにも出現~1000m)のように浅海から深海にいる可能性もある。

分布域についてもユニークだ。東北~九州南岸の太平洋岸、新潟県~九州北岸の日本海岸(今回は長崎産)に分布し、海外は朝鮮半島、済州島にすむほか、オーストラリア、ロードハウ島、ノーフォーク島に生息している。北半球と南半球の温帯にすみ、かつ熱帯域にいない、そんな魚はほかにもいるが、非常に興味深いものである。もしかしたらカゴカキダイのように複数種に分かれる可能性もある。

チゴダラと見分ける

▲上がチゴダラ、下がイソアイナメ。

この写真の上にいるのはチゴダラである。別名はエゾイソアイナメ。かつてはそれぞれ別種とされていたが現在はチゴダラとエゾイソアイナメは同種とされている。検索図鑑では色の違いもあげられてはいるが生息水深の違いによるものもあるだろう。

チゴダラの分布域は北海道~九州、九州‐パラオ海嶺。海外では朝鮮半島、台湾に見られる。防波堤の釣りで釣れるほか、定置網に入ったり底曳網でも見られる。体は茶褐色から濃褐色で、個体による変異があるようだ。イソアイナメとチゴダラを見分けるためのポイントは、背鰭と臀鰭の位置関係である。

▲イソアイナメの背鰭と臀鰭。臀鰭起部は第2背鰭起部より後方にある

▲チゴダラの背鰭と臀鰭。臀鰭起部は第2背鰭起部のほぼ直下

この2種を見分けるポイントは背鰭と臀鰭の位置関係である。チゴダラの臀鰭起部は第2背鰭起部の直下にあるのに対し、イソアイナメの臀鰭起部は第2背鰭起部より後方にある。

イソアイナメ属は世界で4種類知られ、我が国には2種が知られる。日本産のもう1種ホソダラは1936年に新種記載されたものだがまれな種のようで、生息場所や分布域も「深海」「土佐湾」としか記されていない。ほかにはオーストラリアにもう1種、さらにデスベントゥラダス諸島やファンフェルナンデス諸島といった南米西岸沖合にもう1種いる。南半球に多い属のようだ。

今回のイソアイナメは長崎印束商店 石田拓治さんから。ありがとうございました。

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