コクチバス | 魚のブログ

コクチバス

今回は久しぶりに淡水魚の話題でも。最近キバラヨシノボリの新しい論文がでた。ようは「キバラヨシノボリはクロヨシノボリからそれぞれの島で独自に種分化した」というものだ。であればそれぞれの島のキバラヨシノボリは別種ということになる。そうなれば別水系から放流すると在来の個体群に大きなダメージを与えてしまうことになるだろう。

それとは全く関係ないが、YouTuber、いやYouTuberとしても知られる「荒川水系の釣り人」氏から魚をいただいた。スズキ目・サンフィッシュ科・サンフィッシュ属のコクチバスだ。

コクチバスはアメリカ原産の淡水魚でもちろん日本の分布は移入であり、あちこちの国に移植され世界中で問題となっている。

そもそも私はバス釣りをしないので口のサイズがどうとかというのはわからないが、やはり上顎長が短いのがコクチバスの特徴らしい。ただ模様からオオクチバスと明らかに違うのはよくわかる。なお名称はどちらも英語名からきているようだ。コクチバスはアメリカではSmallmouth bassというし、オオクチバスはLargemouth black bassという。

日本では北海道から山梨県までの19都道県に移入されたというが、山梨県では根絶されたようである。しかしせっかく根絶してもまた出てきてしまっていると聞く。特定外来生物なので移植は禁止されているはずなのだが。コクチバスは流れる河川を好むらしく、オオクチバスなどにより危機に瀕している魚とはまた別の魚が危機に瀕することになるだろう。

今回の個体は腹がぱんぱんで、多数の卵が入っていた。本種はわからないが、日本に入ってきたオオクチバスやブルーギルは親が産み付けられた卵を保護する習性がある。そのため卵を産みっぱなしにする魚よりは生存率が高くなる。これが成長すると、と考えると恐ろしいものだ。

キバラヨシノボリもそうであるが、放流というのは常にリスクが付きまとう。このコクチバスの件に関してはアングラーのせいなのだろうが、実際にアユやサケマスの移植事業でもほかの地域の淡水魚が混ざっていたというのはよくあることなのだ。実際に関東でみられるコイ科の一部は湖産アユに混ざって放流されたものが定着したなんていう話は聞く。

日本人はもうちょっと放流についてデリケートになるべきだし、トキやアユモドキなど、絶滅した地域への再導入についてももっとデリケートにならなければいけない。漁協もサケマスの放流、とくにアマゴの生息していない地域へのアマゴ放流などの話も聞くが、こういうことも問題になっているはずだ。

あと、「サンフィッシュ科」をFishbaseで検索するのを悩んだことがある方もいるのではないだろうか。サンフィッシュ科の学名は「Centrarchidae」というのだが、このもとになったと思われるCentrarchus macropterusなんて正直、ロクに知らないのだ。「サンフィッシュ科」ではなくケントラクス科とかそんな名前にしたほうが検索するときに分かりやすかったかもしれない。

HN「荒川水系の釣り人」さん、ありがとうございました。

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