ヤリタナゴ | 魚のブログ

ヤリタナゴ

最近(というか一月以上ご無沙汰でしたが)は海水魚ばかりでしたので、淡水魚を紹介します。コイ科タナゴ亜科、ヤリタナゴです。

ヤリタナゴ Tanakia lanceolata   (Temminck and Schlegel)

分布

本種は日本産タナゴ科魚類で最も広い分布域を有します(移入種であるタイリクバラタナゴを除く)。北海道と九州南部、離島などを除いて分布しますが、局地的に分布しない箇所があります。

生息地

「ヤリタナゴ 生息地」で「ごおgぇ」ってしまった方ごめんなさい。当ページでは、生息地の公開はいたしておりません。

でもこの魚は様々な環境に見られます。河川中流域でも見られますがやはり小さな水路などでよく見られます。底質は小さな砂あるいは泥をこのむのですが、河川中流域では大きな石がゴロゴロしているようなところに見られました。

小さな水路では、泥底では堆積物が多いような場所に見られます。また、カナダモ類の周辺にもよく見られます。

ヤリタナゴが確認できた水路。川床を覆うのはカナダモ類で、オオカナダモ、コカナダモの両種が見られました。(外来生物なのであまり良いことではないのですが)その他、オイカワ、カワムツ、カゼトゲタナゴ、ゼゼラ、カマツカ、イトモロコ、ドンコ、カワヨシノボリが確認できました。

繁殖

タナゴ類の繁殖で特筆すべき点は「淡水二枚貝の中に産卵する」ということです。ただし淡水二枚貝では何でもいい、というわけでなく、シジミなどには産みません。本種ではマツカサガイやニセマツカサガイに積極的に産卵するようです。ただし、他の貝にも産卵します。産卵期は春~初夏で産地によりややずれがあります。

マツカサガイ

雑食性で様々な餌を食べます。川の中では付着藻類やミミズ類、昆虫などを食べていますが、飼育下ではふかしたサツマイモなどの野菜類などを与えると狂ったようにたべます。

仲間

Fishbaseによるとアブラボテ属は世界から3種が知られています。

ミヤコタナゴTanakia tanagoは関東地方に生息するタナゴの仲間で、英名をTokyo bitterling といいます。Bitterlingというのはタナゴの仲間を指します。国の天然記念物に指定されています。

もう1種、アブラボテというのがいます。この魚は濃尾平野以西の本州、四国・九州に分布します。名前の由来は茶色っぽい体色から来ています。ただし、これはまたいつか「今日の魚」で取り上げたいので、今回は紹介しません。

このアブラボテにそっくりなものにコウライボテというのがいます。この魚はかつてアブラボテ属に入れられていましたが、現在の学名はAcheilognathus signifer で、現在ではタナゴ属に入れられています。韓国にいますが、我が国でも販売されています。

危機

タナゴ類の雄の婚姻色は華やかで、雌は灰色の地味な体色です。かつて淡水魚採集者は雄のみを持ち帰り、雌は棄てるといったことを繰り返していたという噂も耳にします。

ヤリタナゴの雄。

タナゴ類は乱獲で追い詰められていったように思われますが、実際にはそれだけではありません。河川改修が行われ、三面コンクリート張りになった河川では二枚貝が生きていけず、繁殖する機会が失われてしまいます。

もちろんブラックバスやブルーギルなどに代表される移入種も彼らの脅威となっています。

我々も彼らのために何か出来ることがあるかもしれません。バスやブルーギルの駆除は私たちにもできます。そして採集した魚を最後まで世話をし、絶対に他の場所に棄ててはなりません。

未来にタナゴ類を残すためには、我々のモラルも問われそうです。

参考文献

川那部浩哉・水野信彦・細谷和海 編・監修、2001 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚 山と渓谷社、東京

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