クロホシマンジュウダイ

クロホシマンジュウダイ

クロホシマンジュウダイScatophagus argus   (Linnaeus)という魚は、幼少のうちは虎で、成長すると豹変する魚です。

分布

クロホシマンジュウダイは南日本、クウェート~フィジーに至るインド・太平洋の暖かい海・河川汽水域に生息する魚です。我が国では琉球列島に多いのですが、本州や四国・九州の太平洋岸の汽水域でも見られます。

生態について

この魚の幼魚は河川汽水域を主な住処としています。私はこの魚を2回採集したことがあります。1回は沖縄の防波堤で採集したもので、全長わずか1cmの稚魚でした。このときは雨が降っていたので、水面下の塩分が非常に低かったです。

2回目は高知県の小さな河川で採集したもので、このときは小さな木の枝に数個体がまとまってついていました。この写真の個体もそのうちの1匹です。

雑食性でサンゴ砂に付着する藻類から小さな甲殻類まで様々な餌を食べます。
成長すると海へ下りますが、内湾などに多いです。

名前の由来

和名は黒い星の有る饅頭鯛という意味だと思います。マンジュウダイというのはスズキ目マンジュウダイ科の魚の1種です。この魚は採集したことはないですが、同じマンジュウダイ科の魚に海水魚愛好家にとっておなじみの魚がいます。

マンジュウダイ科 ナンヨウツバメウオ

学名のScatophagusというのは人糞を食べるもの、という意味だそうです。雑食性で悪食な魚(後述)なのですが、まさか人糞まで食うとは。英名(Fishbase名)のSpotted scatとは、やっぱり成魚の体側の黒色斑点に因みます。

分類について

本種はかつてチョウチョウウオ科と近縁である、といわれました。理由はチョウチョウウオ類が経る「トリクチス幼生」という幼生期間を経て成長するからです。しかし最近の研究ではチョウチョウウオ類よりも、ニザダイやアイゴに近い仲間であることが分かりました。

アイゴ

さて、この魚はアイゴと共通することがあります。この魚の背鰭の棘に毒があるのです。そのため、取り扱いに注意が必要です。

クロホシマンジュウダイ科の魚は、Fishbaseによると、2属、4種がいることになっています。そのうち日本産は1属1種、クロホシマンジュウダイだけです。

飼育

クロホシマンジュウダイは観賞魚の世界では古くから知られていました。当時観賞魚店では「スキャットファーガス」という名(学名に因む)で販売されていました。

私は30cmの水槽で飼育していました。水は汽水域で、ヒーター、ろ過は投げ込み式ろ過装置でした。コレだけでも十分に飼えます。

pHは7より上、つまり弱アルカリ性にします。

そのため流木などは入れません。流木は水を酸性に換えてしまいます。

他の魚とも一緒に飼育することが出来ます。カワアナゴ類や、ハゼ類などが良いでしょう。餌は悪食で様々な餌を食べます。

参考文献・サイト

川那部浩哉・水野信彦・細谷和海 編・監修、2001 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚 山と渓谷社、東京

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