深海魚ブーム「ゲンゲ」ってどんな魚? | 魚のブログ

深海魚ブーム「ゲンゲ」ってどんな魚?

昨今の「深海魚ブーム」によって脚光を?あびつつあるのがこのゲンゲ科魚類です。ゲンゲは、スズキ目ゲンゲ亜目ゲンゲ科に属する魚の総称で、ゲンゲの標準和名をもつ魚はいません。

ゲンゲの仲間は赤道直下から、北極・南極の海まで広域に分布しています。寒帯・亜寒帯、温帯、熱帯・亜熱帯の海に分布します。基本的に冷たい海にすみ、熱帯や亜熱帯の海では数1000mの深海に生息しています。日本には67種ほど、全世界では53種、286種が知られています。

主なゲンゲの種類

1.カンテンゲンゲ

カンテンゲンゲは日本の北方海域にごく普通に生息するゲンゲ科の魚です。シロゲンゲ属で、同属魚種は日本近海からは3種知られています。水深200-900mほどの深海にすむ種で、底曳網で漁獲されています。本種によく似たものにノロゲンゲというのがいますが、肛門上方の鱗の配列(カンテンゲンゲでは丸く集合、ノロゲンゲは長楕円で垂直に配列)や、背鰭軟条数(カンテンゲンゲで123-125、ノロゲンゲでは109-122)に違いがあります。写真は幼魚ですが、大きいものは1m近くになります。

2.アゴゲンゲ

アゴゲンゲはアゴゲンゲ属に属し、日本からは2種が知られているのみです。日本海側の底曳網ではごくたまに獲れるようです。全長30cmほどで成魚です。ゲンゲ科の魚は腹鰭が退化的で、あっても腹鰭棘がないのが多いのですが、本種の腹鰭には1棘があります。

3.タナカゲンゲ

以前も紹介しましたゲンゲの仲間です。全長1mほどにもなるマユガジ属の大型種です。マユガジ属は64の有効種が知られ、ゲンゲ科の中でも大きな勢力です。この種は日本海側の底曳網やかご網などで漁獲されます。日本海の山陰方面などでは好んで食されます。

4.シロブチヘビゲンゲ

ヘビゲンゲ属に属する種です。ヘビゲンゲ属は世界から、マユガジ属とほぼ同数が知られます。水深200~1000m位の場所にすむものが多いです(本種は500-1000mくらい)。オホーツク海と北太平洋の深海にすみます。

ゲンゲの系統的位置

ゲンゲの仲間は何と近縁か、という点について、現在はスズキ目の一員とする考えが主流です。ただし近年カサゴ目のカジカ亜目との関係が示唆されており、13もの共有派生形質が確認されているそうです。

個人的にはその中でも「クサウオ科」のものが近いように思います。クサウオの仲間は腹鰭が「吸盤状」という形で発達していますが、耳石の形状は種によってはかなりよく似ており、さらに前耳骨の形状や、雌の卵の形状もよく似ています。再検討の必要はありますね。尤も、カサゴ目自体が再検討が必要なグループではありますが。

このあたりは東海大学出版会からだされている「魚の形を考える」(松浦啓一・編著)という本に詳しく掲載されております。興味がある方は、ぜひ読んでみてください。

実は残念ながらまだ味は試したことがありません。今年のシーズンこそは楽しみたいと思っております。この仲間は太平洋側より、日本海側で好んで食べられて、流通しています。ノロゲンゲなどは案外安いですが、タナカゲンゲは時に結構高いようです。

シェアしてね

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSやってます

コメント

  1. 相模湾 より:

    いいですね~、ゲンゲ。三陸では何種類か見ましたが、今ではイトギンポ類を見るだけです。

    築地市場には、東北からシロゲンゲとカンテンゲンゲ、新潟からノロゲンゲが入荷します。

    鍋で食べたところ、味らしい味、というものはなかった覚えがあります。

  2. 椎名 より:

    新潟はノロゲンゲが多いのですね。
    シロゲンゲは東北産のを見たことがあります。
    さて、味らしい味がないというのは、意外ですね。歯ごたえや食感を楽しむ魚ということでしょうか。