チゴダラ

チゴダラ

月曜日にこんな魚を見つけました。チゴダラPhysiculus japonicus Hilgendorf, 1879という魚です。

チゴダラはタラ目・チゴダラ科の魚。この科の魚は深海性のものが多く、釣り人に馴染みがあるものはこれとエゾイソアイナメPhysiculus maximowiczi (Herzenstein, 1896)の2種くらいです。エゾイソアイナメと本種は同種であるという話も聞きますが、別種にすべきという意見も多くあります。体色は本種が茶褐色、エゾイソアイナメは黒褐色、眼はチゴダラのほうがやや大きいなどの違いがあります。

本種もタラの仲間で下顎に1本のひげが生えています。

背鰭は2基。第2背鰭は第1背鰭よりも極端に低いなんていうことはありません。第2背鰭には欠刻はなく、同じタラ目のメルルーサ科の種と区別することができます。タラ科魚類では、日本産の多くのものでは背鰭が3基からなります。

尾鰭は顕著で、背鰭や臀鰭とつながるということはありません。

チゴダラとエゾイソアイナメは先ほども述べたように非常によく似ており、この2種を合わせて「どんこ」と呼んだりして刺身や汁物などで食用になったりしますが、これは注意を必要とする名称です。というのも、日本の淡水魚の中にも「どんこ」と呼ばれる魚がいるからです。

西日本、とくに九州方面で「どんこ」と呼称される、もしくは似た名前でよばれているのは主に淡水のハゼの仲間で、特に写真のチチブTridentiger obscurus (Temminck and Schlegel, 1845)を指す場合があります。この種類は河川の汽水域、泥の多い場所や人の手がよく入った場所などに多くみられる種類です。寄生虫がいる可能性もあるので生食はやめた方がよいのかもしれません。ただし佃煮や揚げ物などではよく食べられる種類です。

一方標準和名で「どんこ」とよばれる魚もいます。

こちらが標準和名でドンコOdontobutis obscura (Temminck and Schlegel, 1845)と呼ばれる種類。本種はハゼ科ではなく、同じハゼ亜目の「ドンコ科」と呼ばれるグループの魚です。ドンコ科の魚種は日本からは2種(と外来のものが1種)が知られているのみですが、ドンコは地理的・遺伝的に分化が著しい種類です。本種はどぶのような河川で採集できるようなこともあり、あまり生食には向かないかもしれませんが、揚げ物などで食べると美味しいようです。

ドンコは現在では関東だけでなく各種情報媒体であちこちで呼ばれていますが、これはあまり好ましいことではないでしょう。地理的に「どんこ」とよばれ愛された魚たちが沢山いるのです。今日か明日にはチゴダラを美味しく食べたいと思います。

●チゴダラ科 ●ハゼ科 ●ドンコ科

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