8年ぶりの風来坊

8年ぶりの風来坊

今年の海はスズメダイ科の魚が少ない。スズメダイはそこそこいて、イソスズメダイとシマスズメダイは潮溜まりに多数。ネズスズメダイは採集できたが、他はオヤビッチャが少しいるくらいで、例年たくさんいるオヤビッチャはあまり見ない。そのほか、例年はたくさんいるソラスズメダイさえ殆ど見ていない。

しかしその割には「久々に採集」というのが多い年のような気もする。神奈川のコショウダイ、この間釣ったスズメダイもそう。イシダイも採集はするのだが釣ったのは久し振りかもしれない。

そしてフウライチョウチョウウオChaetodon vagabundus Linnaeus, 1758

私たち磯採集を好む人にとって、毎年目標とするのはチョウチョウウオの仲間。よく「ナミチョウ」と呼ばれるチョウチョウウオや、濃い橙色がまぶしいトゲチョウチョウウオ、「あらいぐま」ことチョウハン、白い色がほかのチョウチョウウオと異なるセグロチョウチョウウオなどがよく採集されるが、このフウライチョウチョウウオも同様に夏から秋に磯採集に繰り出す愛好家をわくわくさせてくれる種類だ。

熱帯性の魚であるこの仲間は、卵や稚魚が黒潮にのって運ばれてくる。このような魚は死滅回遊魚、あるいは季節来遊魚とか呼ばれたりする。多くの場合は冬になると死んでしまうので、死滅回遊と呼ばれるのだが、ベラや、スズメダイの仲間など、最近は死滅しないでそのまま磯に残っていたりする。

フウライチョウチョウウオは8年ぶりに採集した。チョウチョウウオの仲間の採集を楽しむ人にとってはお馴染みの魚。しかしお馴染みとはいえ、その白と黄色のコントラストにはわくわくさせられるものである。

無事に自宅へ帰り着いて、サンプに透明の板で隔離した個室で飼育。まさしくV.I.P.と同じような待遇であるわけだ。ただ完全な個室ではなく同じ日に同じ磯で採集したワニグチボラを入れた。ネズスズメダイやイソスズメダイも同様に採集してきたがこの2匹はかなり強いのでカクレクマノミと同じ水槽でも十分やっていけるはずなのでカクレクマノミ水槽へ。

フウライチョウチョウウオは実は難しい種類だという。サンゴのポリプもつついたりしているが、基本は雑食性である。餌付けはチョウチョウウオ飼育の為の重要なステップ。

まずは冷凍したアサリを与えてみる。むき身にしたアサリをライブロックの隙間に押し込むようにしておいたが食べる気配はない。カイメン。つついている。これで餓死するようなことはない。配合飼料を湿らせたものをライブロックに塗る。これはうまくいきそうだ。フウライチョウチョウウオは何度もつついている。

しかし1回に食べる量は少ない。餌付けにはだいぶ根気が要りそう。そして性格もおとなしく常にきょろきょろしている。臆病なのだろう。これが飼育が難しいといわれる理由かもしれない。

●スズメダイ科 ●チョウチョウウオ科

シェアしてね

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSやってます