ムネダラ

ムネダラ

先月の終わり、北海道は羅臼から珍しいお魚が届きました。羅臼というのはどこかというと・・・

頭鰭のところの赤い「丸」がついているところです。世界遺産の知床が有名ですが、水産物も有名でコンブやサケ、タラなどが獲れるのです。今回は羅臼在住の知人より素晴らしい魚を送っていただいたのでした。

ソコダラ科・ホカケダラ属のムネダラCoryphaenoides pectoralis (Gilbert, 1892)。ソコダラの仲間では大きくなるもので1.8mを超えるとか。生息地は他のソコダラと同じく深海ですがこの種類は水深140mの場所でも見られるとのこと。ホカケダラの仲間にはシンカイヨロイダラという種類も含まれるが、この種類はなんと6900mを超える深海底からも採集されているのだそうだ。このムネダラも深い場所では3000mを超える場所でも見られるらしい。

ムネダラの含まれる属についてはいくつかの意見がある。最近はムネダラの属の学名にAlbatrossiaという属名を採用しているが、中坊・甲斐(2013)によれば本種の帰属については詳しい検討がなされておらず、現状ではホカケダラ属に含めておくべきであろう。

同じソコダラ科のトウジンはスズキや、オオクチバスなどの釣りの時に使用する、俗にいう「バスもち」なる持ち方で持つことができたが、本種の大型個体ではこれはできない。これをやってみたら、手をけがしてしまったのだ。それほど鋭い歯をもっている。ソコダラの仲間は他のタラの仲間同様に海底の生物を色々捕食する。ちなみにこの歯は上顎が2列、下顎が1列であり、上下とも2列で同じ亜属に含まれるヒモダラと区別することができる。下顎には小さいがひげがある。

ムネダラは北海道の羅臼だけにすんでいる種類ではない。房総半島~北海道の太平洋岸の深海にも生息していて、深海のメヌケなどを釣るときにたまにかかってくるようだ。水中での色彩は不明だが釣りあげてしばらくしたときの体の色は灰色。しかしながら、一度冷凍してしまうと写真のように茶色に変色してしまうのかもしれない。この個体は冷凍の状態で送られてきたのである。

ムネダラを食する

ムネダラは確かに深海での釣りでは「外道」扱いされ人気がある魚と言えない。しかしながら最近の「深海魚ブーム」でこのような深海の魚にもライトがあたるようになった。底曳網が盛んな地域で古くから食べられていたものだが、それもいまや全国区。ブームに乗るというのは流行ものに乗っかるような気もして微妙なとこだけれど、これまで捨てられていた魚に日が当たるのは良いことといえるかもしれない。

ホイル焼き。今回のムネダラは、かなり水分が多く、身からかなりの水が出てきた。これがムネダラの身の特徴なのか、それともこの個体は偶然、そうだったのかは不明。水っぽくはあったが、柔らかくて美味であった。

肝臓。つぶしていないものとつぶしたものの2タイプ。肝の味はかなり濃厚。

こちらは胃袋と生殖腺。これを酢の物にして食べる。

最後は汁物。肉は白身で美味しいものであった。先日鍋に入れていた他の魚から良い出汁がとれた。

●ソコダラ科

シェアしてね

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSやってます