ニュウドウカジカ

ニュウドウカジカ

「羅臼の珍しい魚シリーズ」は全3回です。
今回は2回目。羅臼から3種の魚が来たので3回に分けてご紹介。

今回の登場は、深海性のニュウドウカジカPsychrolutes phrictus Stein and Bond, 1978 さん。カジカという名前がついていますが、カジカ科ではなく、ウラナイカジカ科の魚です。

ニュウドウカジカは、英国の「Ugly Animal preservation society」(訳すると醜い生物保存協会とかそのような意味になる)と言うところが発表した「世界で最も醜い生き物」の1位、「ブロブフィッシュ」(ホテイカジカ、あるいはトサカジカか??)の近縁種。でも顔は本当にそっくり。でも醜いというよりは、むしろ可愛い感じがします。顔の中央部の肉も垂れてて可愛い。

身は厚い。いつものように針を刺して鰭をたて、横から撮影するのはもうあきらめた。ニュウドウカジカの「おはだ」はすべすべしていて鱗はない感じ。体には白い小さな皮弁がある。この個体は全長670mm、標準体長555mm、魚体重6160gというかなり大きな個体であった。

下顎先端には2つの感覚孔がある。この特徴から、近縁種のトサカジカと区別することができる。トサカジカも体長500mm近くになる大物で、下顎先端には1つの感覚孔がある。

身体には側線があることでクマノカジカとも見分けられる。ただし側線は小さな孔状であり、わかりにくい。またクマノカジカは頭部に皮弁がないようだ。ちなみにトサカジカとクマノカジカは、本種とは分布がやや異なる。標準和名を見れば明らかなように、トサカジカは日本では土佐湾沖の深海、クマノカジカは熊野灘や土佐湾、相模湾などに分布し、本種の分布域は日本では茨城県以北。世界では北太平洋に分布し、東シナ海の大陸縁辺域から、北はベーリング海。東はサンディエゴのほうまでみることができるらしい。いずれの種も深海性でトサカジカは水深945m以深、クマノカジカは500~1000mほど、本種は400~2000mほどの場所で見ることができる。これほど深いと、採集の方法は限られてしまう。だからなかなか見られず、見てみたいと思う心が出てくるのだろう。

ニュウドウカジカを食べる!

さてこのニュウドウカジカ、困ったことに、姿や顔の写真はインターネットで色々と見ることが出来ましたが、肝心の食味について、あるいは食べられるかの情報は見当たらない・・。「市場魚介類図鑑」(ブックマークも参照!)でも近縁種の「ガンコ」や「アカドンコ」などは出てくるものの、このニュウドウカジカを食した話は出てこない。

肉質はアンコウに似ているようだ。内臓などはフグにも似た雰囲気があり若干躊躇したがそれでも食う。

肉は唐揚げ。大きくぶつ切りにして油で揚げるのだが、味はアンコウによく似ており、食感もアンコウそのもの。アンコウとして居酒屋においてもばれないかも。このブログを閲覧されている、良心的な魚屋さん・飲食店・居酒屋のみなさんは、真似をしてはいけません。

肝臓は煮たら美味で、やはりアンコウの肝のような感じ。卵巣もありこれも煮てみましたがうまみは少ない感じでした。

こちらは胃袋。よく洗って、ゆでた後切ります。これは食感が楽しいものです。このほか、アラは煮物ですがこれも大変美味。

●ウラナイカジカ科

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