オキアカグツ

オキアカグツ

先日、私がどうしても欲しかったとある魚が漁獲されたと長崎まる井商店の石田さんからSNSで連絡がありました。
そのお魚と、何種か別の魚を入れて送ってくださったのです。

その中にこの魚が。

アカグツ、かと思ったのですが、これは触ってみるとまた別の魚でした。

オキアカグツHalieutaea fitzsimonsi (Gilchrist and Thompson, 1916) という種類です。

アカグツは以前にもご紹介したことがありましたがオキアカグツははじめてみる種類でした。アカグツ、オキアカグツ共にやや深海性のアンコウ目・アカグツ科・アカグツ属の魚。アカグツは八戸から鹿児島までの太平洋岸と新潟県以南の日本海岸及び東シナ海の沿岸、オキアカグツは千葉県、九州-パラオ海嶺、台湾に分布するとされていましたが、魚類写真資料データベースによれば伊豆半島の沼津などでも確認されているということでした。

日本に分布するアカグツ属の魚はこのオキアカグツの他に、以前ご紹介したアカグツ、ヒメアカグツ、ヘリグロアカグツ、まだ学名が決まっていないトゲアカグツ、および日本近海ではほとんど記録がないテンジクアカグツの計6種がいます。

▲オキアカグツHalieutaea fitzsimonsi (Gilchrist and Thompson, 1916) の腹面


▲アカグツHalieutaea stellata (Vahl, 1797) の腹面

オキアカグツとアカグツは写真から区別するのは難しいです。よく写真で背中に線状の細かい模様があるのはオキアカグツにされたこともあるのですが、この特徴はアカグツにも出ることがありあまり参考にならないようです。

おなかをなでると両種の差はよくわかります。オキアカグツは腹面がつるつる、アカグツにはビロード状の小棘が多数あり、ざらざらした感じが特徴です。また検索図鑑によれば胸鰭の軟条数もアカグツより少し多いようです。

オキアカグツと近いものにもう1種ヒメアカグツというのがいます。このヒメアカグツはオキアカグツと同様に腹部にビロード状の棘がなく円滑であるのですが体の背面に模様がないことが異なります。アカグツとオキアカグツでは、背中の模様は同定のポイントにはならないのですが、オキアカグツとヒメアカグツではちゃんとした同定ポイントになっているようです。

アカグツの仲間の消化管の中には線虫の仲間が多数生息していることがあります。所謂「アニサキス」に似たものが多数絡み合うような感じで入っています。写真のシャーレの中の状態では元気に体を動かしていたのですが、海水をはったプラスチックの中に入れたら翌日には全員お亡くなりになってしまっていました。

胃の中からは甲殻類が多数でてきました。コブシガニの仲間やキンセンモドキの仲間。コブシガニの仲間は「チョウチンコブシガニ?」というご意見もありましたがなかなか難しいです。キンセンモドキも種類が多く同定は困難。なおこのほかにコシオリエビと思われるものがでてきました。甲殻類以外では巻貝が3種ほどでてきましたが、同定は出来ません。魚類は出てきませんでした。

いよいよ食するのですが、アカグツの仲間はなかなか解体が難しい種類です。キッチンバサミで解体をしました。

可食部は意外と少ないです。肉、肝臓、胃。皮は腹面のみ。胸鰭基部にも肉がありました。

それを味噌汁に!
尾の部分はかなり大きな棘があり食べにくかったですが美味でした。

石田さんどうもありがとうございました。

今日は12月24日、今年もあと1週間となりました。
今年は我が家にとっては激動の1年でした。
来年は今年よりももっといい記事を書きたい。

●アカグツ科 ●甲殻類

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