アネサゴチ

アネサゴチ

この間現在の「WEB魚図鑑」への批判的な記事を書いた後、その件について魚図鑑の運営者の方から対応について返事が返ってきた。かなりよい対応であり、ちょっと、ほっとした。その後日曜日には珍しいソコダラ類の写真を見せてもらうなど、まだまだ私は魚図鑑にいなくてはいけないのだろうと思ったし、何より私自身が魚図鑑を必要にしているように思う。

さかな図鑑には現在3209種が登録されている。そのうち私が登録した種類は875種。データ数は2201データだ。しかしそれでも古いパソコンのファイルを探っていると、まだ登録していない魚も沢山出てくるのである。

アネサゴチもそんな魚種だ。アネサゴチはWEB魚図鑑にも登録がない種類で、珍しいもの・・・と思いきや、それほど珍しくはない種である。2010年の夏に小型底曳網の船に乗せてもらったことがあったが、そこでさまざまな魚が採集された。その中の1種である。

ぶれていて見苦しいのですがご了承ください。採集された時はオニゴチと思っており、もしかしたら標本にも「オニゴチ」として、記しているかもしれない。しかし胸鰭の様子がオニゴチと違うと思い、最近検索図鑑や、「南日本太平洋沿岸の魚類」(Amazon)などで調べまくったら、この種に行き当たった。

コチの仲間は意外と難しいグループだ。小さいコチはほとんどが「メゴチ」としてしまいがちだ。ちなみに釣り人がいう「メゴチ」というのは多くの場合ネズッポの仲間のことを言う。関西ではガッチョ。ノドクサリとも言ったりする。じゃあ関東の人はメゴチを釣ったらなんというのだろうか。釣りの解説にはネズッポ類を釣るところに標準和名メゴチのイラストが掲載されていたりする。

結構脱線してしまったので、アネサゴチの話に戻る。アネサゴチはコチ科、アネサゴチ属の魚である。アネサゴチ属のコチはインド‐中央太平洋の暖かい海域に生息し、8種が有効種のようだ。うち日本には3種が産する。先ほど名前が出てきたオニゴチも、アネサゴチ属に含まれる。この属のもう1種の魚は、セホシオニゴチという、熱帯性のコチの仲間で2000年に新種記載された種。タイプ標本の中に沖縄水納島が含まれている。

こちらはオニゴチ。オニゴチは関東沿岸および新潟県から九州、東シナ海で見られる。アネサゴチもほとんど同様の分布域。どちらの種も水深70mあたりの場所を曳く小型底曳網漁業ではよく漁獲されるよう。こちらのオニゴチは、底曳網で直接漁獲されたのではなく、アンコウの口腔内から採集された個体である。

アネサゴチの特徴は頭部の棘にある。棘のある「眼下骨隆起線」が、眼の側方で分断されているという特徴だ。オニゴチは、これが分断されていない。

ちょっとわかりにくいので黄色と緑でマークしている。このマークしているところの間で分断されているのだ。上の写真と比べてみてほしい。このほかの特徴としては、オニゴチが体側に明瞭な暗色横帯が4本ほどあるのに対し、アネサゴチは目立つ横帯がないなどの特徴がある。

アネサゴチは水深150mの場所まで漁獲されるとある。こちらの個体は2009年に沖合底曳網「第15海幸丸」、土佐湾の水深150m位の場所で採集されたもの。この時はこの種をセレベスゴチだと思っていた。なかなかコチの類は難しいものだ。

●コチ科

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