ゲンコ

ゲンコ

カレイ目・ウシノシタ科・イヌノシタ属のゲンコ。

ゲンコは千葉県銚子・京都府~九州までの日本沿岸と台湾に生息する普通種。

本種の特徴は、有眼側に側線が2列あること、無眼側には有孔側線がないこと、吻がやや丸みを帯びること、背鰭と臀鰭の鰭条に小さな斑点があること、背鰭と臀鰭の鰭条数は其々105~114軟条と81~91軟条であることなどがあげられる。これらの特徴により日本に分布する他のイヌノシタ属魚類と区別することができる。

ゲンコによく似た種類にはオキゲンコや、オタフクゲンコがいる。オキゲンコの場合は背鰭と臀鰭の軟条数がゲンコとかぶっているし、鰭条の特徴も似ているが、有眼側の側線は3列である。オタフクゲンコの場合は側線がゲンコ同様に2列であるが、背鰭と臀鰭の軟条数が其々114~118、91~93軟条であること、背鰭と臀鰭の鰭膜が一様に暗色であること、ゲンコの脊椎骨数52~54なのに対しオタフクゲンコでは56~57と重複しないなどの点で区別することができる。オタフクゲンコは現在東シナ海のみから記録されているが、九州沿岸で採集される可能性もあるので、チェックしておきたい。ちなみにオタフクゲンコは未記載種だという。もう1種のヒレグロゲンコは前にブログで記事を書いたことがあるのでそれを参考にしてほしい。背鰭や臀鰭の軟条数はゲンコとかぶるが、和名にあるようにこれらの鰭が一様に黒っぽいのが特徴だ。

↑ゲンコの背鰭軟条

生息水深もこの3種ではやや異なっている。ゲンコは水深10~140mとこの仲間では浅い場所に生息する。オタフクゲンコもゲンコに近い。一方オキゲンコは水深220mほどの場所までみられやや深海性である。ちなみに宇和海の沖合底曳網漁業ではヒレグロゲンコしか見たことがなく、オキゲンコはまだ見ていない。上の写真の個体は愛知県三河一色で水揚げされた、廃棄されてしまう魚のなかで見つけたもの。トビヌメリやアラメガレイ、ササウシノシタなどが入る、比較的浅い水深の漁である。

ゲンコが含まれるイヌノシタ属は、日本産のウシノシタ科魚類としては最も多くの種をふくむグループ。日本産ウシノシタ科魚類は20種が知られているが、そのうちの12、あるいは13種がこの属の魚である。他アズマガレイ属4種、タイワンシタビラメ属が3種。オオシタビラメ属は1種のみで、イヌノシタの仲間に入れられていることも多い。ゲンコはこの仲間としては小型種であるためか、あまり利用されていないようだ。

●ウシノシタ科

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