クロソラスズメダイ

クロソラスズメダイ

今回の喜界島釣行では初日に足をけがした結果、もう「釣りたい」という気持ちもあまりなくなってしまっていた。二日目は船で釣りであったが、他の方はオジサンやらマルクチヒメジやらなんやらと色々釣っていたが私に釣れたのはアカハタが1匹のみ。しかも掌より少し大きいサイズでは食べるには小さすぎる。

水深10数mあるがとても海が綺麗なので底の方までよく見える。

この喜界島船釣の後港で小物釣りをしてやっと紹介できる魚が釣れた。クロソラスズメダイ。

喜界島の海では魚がたくさん釣れるが、どのポイントでも同じ魚が釣れるわけではない。このクロソラスズメダイは湾港付近で釣ったのだが他の場所では見たことがないのだ。しかしこの個体を採集したところでは多いらしく、2010年に初めて喜界島を訪れたときにも見ている。WEB魚図鑑に登録された個体も、採集場所が明記されているものは早町の港で釣れた1個体を除きすべて湾産だ。

クロソラスズメダイは体が真っ黒で、あまり特徴がないように見える。この属の魚の成魚は派手な模様、あるいは目立つ模様がないので他の種と見分けにくい。

クロソラスズメダイの背鰭棘数は12である。これにより背鰭棘数がふつう13のアイスズメダイやフチドリスズメダイとは区別することができる。

背鰭の基底後端に小さな黒色斑があるのも特徴的である。これがあることにより、同じ背鰭棘数が12のグループであるヨロンスズメダイや、セダカスズメダイ(たまに背鰭13棘のものがいるよう)と区別することができる。そしてこの黒色斑の前縁付近には明瞭な白色斑がないことでキオビスズメダイとも区別できる。なお本種は婚姻色をだすことがある。それは体の中央に幅広い白色帯がでるのと、眼の下付近に青白い縦線がでるというものだ。

普段は地味ではあるのだが、黒い体に青く輝く斑があるのでよく観察すると綺麗。スズメダイは成魚は黒っぽくなっても、こういう綺麗さを見つけ出す楽しみがあるのだが、写真だけでは種の同定さえ難しい場合も多い。

食性は主に糸状藻類を食するが、その糸状藻類の生えている場所を縄張りとして他の魚を追い払い、大きく育ったら食べるという習性を有することでも知られている。ただし勿論このような藻類ばかりを捕食しているわけではなく、この個体はオキアミで釣れたものである。結構なんでも食うらしい。

このクロソラスズメダイを釣った湾の港でも多数のミドリイシを見ることができる。高水温や低水温、あるいは津波などで砂をかぶるなどしてサンゴが部分的に白化してしまうこともあるが、そのようなところに海藻が生え、それがクロソラスズメダイの食物となるのだ。

分布域はインド‐太平洋域、紅海・東アフリカ~マルケサス(マルキーズ)とかなり広い範囲に及ぶが、ハワイ諸島やイースター島には産しない。日本では和歌山県と長崎県以南に分布するというが、普通に見られるのは奄美以南だろう。サンゴ礁域に生息するが水深12m以浅、それも極めて浅い場所に多く、あまりダイビングでは見難いようだ。

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