アカヒメジ

アカヒメジ

ヒメジの仲間は俗に「オジサン」と呼ばれるが、標準和名オジサンと混同される恐れがあるので、オジサン以外のヒメジの仲間を「オジサン」と呼ぶのはやめた方がいいと思う。ヒメジ科の魚は日本産魚類検索(第三版)によれば3属23種が知られているが、このほかに3種類が日本から知られており計26種が知られている。さらにこのほかにヒメジ属ではフィリピンなどから知られている種が日本から水中写真による記録があったり、他にもウミヒゴイ属魚類は分類学的再検討が行われているなど意外なほど研究が盛んに行われているグループなのだ。

日本産ヒメジ科魚類はこの2属の他にアカヒメジ属が知られている。鋤骨・口蓋骨に歯がなく、顎歯は小さい絨毛状、第2背鰭は鱗に覆われていない、側線鱗数は33以上であることなどで日本に生息する他のヒメジの仲間と区別できる。日本産は3種。

代表的な種がこのアカヒメジ。海でみると銀色っぽい体で、体側に1本の縦帯があるのが特徴のヒメジの仲間であるが、結構色を変える。釣りあげると写真のように赤く変わってしまうのだ。このように水中で見るものと陸にあげたものでは色彩が大きく変わる、あるいは昼と夜で色を変えるような魚は意外にも多い。ヒメジの仲間もそのような魚種が多いのだ。

アカヒメジはインド-太平洋の熱帯域に広く分布しているが、日本では房総半島以南の太平洋岸、山口県日本海岸、琉球列島、小笠原諸島に分布しており本州~九州の太平洋岸でもよく獲れる。上の写真の個体は高知県・柏島の防波堤で釣ったもの。このときはやや大きめの個体が防波堤の周囲を回遊していた。

こちらはアカヒメジの幼魚と思われる個体。体高がやや低めのものは「モンツキアカヒメジ」という別種であることも多いが、このくらい小さいとアカヒメジでも体高が低いようだ。これは和歌山県串本の潮崎商店さんから送っていただいたもの。串本の近海はダイバーにとっても、磯採集の愛好家にとっても「聖地」であるといえる。なおモンツキアカヒメジとアカヒメジの見分け方は、モンツキアカヒメジがやや体高が低い(体長の21-25%、アカヒメジは26%以上)、モンツキアカヒメジの体側に暗色斑が出ることがある点など。モンツキアカヒメジは琉球列島以南に多いが、高知県の宿毛でも成魚が水揚げされたりしている。

アカヒメジ属の魚は世界で7種が知られている。その中である種は黄色い体に青い縦線が数本入るという、まさしくヨスジフエダイに似たような模様を持つ種がいる。その種は実際にヨスジフエダイと群れをつくるようだ。琉球列島では重要な食用種で、刺身や塩焼などにして食べられる。

●ヒメジ科

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