ソラスズメダイとシリキルリスズメダイ

ソラスズメダイとシリキルリスズメダイ

夏になると磯はアクアリストや子供でにぎわう。磯には様々な生物がいるが、その中でもやはり綺麗で目に付くなのは、青と黄色が綺麗なスズメダイだろう。このような美しい色彩のスズメダイは日本に2種が知られている。

ソラスズメダイとシリキルリスズメダイだ。

▲ソラスズメダイ

▲シリキルリスズメダイ

この2種は意外なほど混同されている。本州から九州で採集された、という記録は殆どがソラスズメダイだと思われるが、初めてこの魚を見た人だと結構間違えやすい。この2種は沖縄ではどちらも見られ、結構な数潜るダイバーの方でも、間違えることがあるのだ。

ソラスズメダイは、ソラスズメダイ属。シリキルリスズメダイは、ルリスズメダイ属で、この2種は属が異なる。前鰓蓋の様子や鰓耙数などは異なっているが、水中写真ではそんなところは分からない。

体のようすが、ソラスズメダイの場合はやや長いような気がする。さらにシリキルリスズメダイは黄色域が尾柄部周辺のみで、腹部や臀鰭も黄色っぽい・・・なんてことにならない。また背鰭や臀鰭の軟条数はソラスズメダイの方が若干多い。魚類検索によればソラスズメダイは背鰭軟条数13~15、臀鰭軟条数14~15。シリキルリスズメダイは背鰭軟条数10~12、臀鰭軟条数は11~13。

▲腹部が黄色っぽいソラスズメダイ。臀鰭や腹が黄色っぽいソラスズメダイはよくみられる。

▲完全な黄色でなくて薄黄色の場合もある。

シリキルリスズメダイには「そっくりさん」がいくつか知られている。ここ何年かインドネシアや、ニューギニアで新しい魚がいろいろと発見されているが、シリキルリスズメダイの仲間でも、アルナスダムゼルフィッシュや、ギッツドゥモワゼルなどが知られている。これらの種類はシリキルリスズメダイに似ているが、腹鰭や臀鰭まで黄色くなったりする。シリキルリスズメダイは、尾鰭と尾柄部のみが黄色くなる。

▲アルナスダムゼルフィッシュ 観賞魚店でもたまに見られるようだ。

なお、ソラスズメダイにもそっくりなのがいくつか知られている。海外ではシミラーダムゼルや、カールレアンダムゼルなどのソラスズメダイに酷似する種も何種かいる。特にシミラーダムゼルについては、見た目だけでは本当にソラスズメダイとどこが違うのかがわからない。成魚は尾だけが黄色いのがシミラーダムゼルということのようだ。

基本的にソラスズメダイはスリランカからツアモツ諸島までのインド-太平洋に分布し、カールレアンダムゼルはやや西より、モルディブから東アフリカ沿岸にかけての西インド洋にのみ分布している。この2種は分布域で区別できるということになりそうだ。

ソラスズメダイは日本でも高知など暖かい場所では繁殖していると思われる。成魚は和歌山や三重、四国の太平洋側ではいつでも見られる(冬はやや少ないが)。繁殖は出来ないかもしれないが、青森県の下北半島や新潟県などかなり北の方でも採集されている。琉球列島にも分布するが、サンゴ礁域のごく浅い場所にはルリスズメダイの方が多い。一方シリキルリスズメダイは南方性が強く、日本ではふつう琉球列島以南に分布する。

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