ミノカサゴとハナミノカサゴの見分け方

ミノカサゴとハナミノカサゴの見分け方

暑い夏は海に行きたくなるが、少なくとも盆を過ぎるまでは事情があり海へ行けそうにない。

海には鰭棘に毒がある魚も多い。このような毒魚はシュノーケリングやダイビングでも見ることができ、見る分には全く問題はない。ただ釣りや魚突きでは注意しないと、痛い目に会うかもしれないのだ。

▲ミノカサゴ

▲ハナミノカサゴ

磯遊びでも運が良ければ遭遇できる、あるいは運が良ければ防波堤から釣れることがあるミノカサゴ。ひらひらした鰭が特徴の綺麗な魚なのだが、背鰭・腹鰭・臀鰭の棘条には毒があり、触ると痛む。この魚は観賞魚としても人気があり、食用にもよい。またダイバーに人気がある魚で、写真も多数撮られている。

ミノカサゴ属は日本には5種が分布する。そのうち、ミノカサゴとハナミノカサゴは、胸鰭上部軟条の鰭膜は鰭条先端にまであるという特徴がある。難しいことを書いたがようは鰭条が鰭の膜よりも長く伸びるか否かである。この2種は間違えられやすいが、同定のポイントさえつかめれば実はそれほど難しくはないと言える。

胸部付近の模様

▲ミノカサゴの胸部。胸鰭基部付近に褐色の縞模様があるほかはあまり斑紋がない。

▲ハナミノカサゴの胸部。多数の縞模様があり目立つ。

この2種を見分けるのに一番適していると言えるのは胸部付近の斑紋だ。ハナミノカサゴには明瞭な縞模様があるのに対し、ミノカサゴでは腹面に斑紋がない。この斑紋は体の側面からも見えることが多く、写真でもその部分さえうつっていれば同定はしやすい。ミノカサゴの場合、胸鰭基部付近に薄い褐色の縞模様が出ることもあるので注意。

背鰭・臀鰭・尾鰭の模様

▲ミノカサゴは背鰭軟条部、臀鰭軟条部、尾鰭に黒色斑がないか、あっても少ないことが多い。尾にある白いものは鰭膜がやぶけているのであり、白い斑点があるわけではない。

▲ハナミノカサゴの成魚の背鰭軟条部、臀鰭軟条部、尾鰭には明瞭な黒色斑がある。

もうひとつ重要な同定ポイントと言えるのが背鰭・臀鰭の軟条部と尾鰭の鰭膜にある黒色斑だ。ミノカサゴにはない、ハナミノカサゴにはあるというが、ミノカサゴでもたまにこの黒色斑が多数散らばる個体がいる。とくに小型の個体には大きい黒色斑が明瞭に出現することがある。そのような個体を見分けるには、先ほど述べた胸鰭基部付近の様子もみながら同定をするのが望ましい。ハナミノカサゴもごく小さいうちは黒色斑の数が少ないようなので注意。

分布について

▲宇和海でも両種を見ることができる。概ねハナミノカサゴの方が暖かい海を好む。

▲毒棘は刺されると痛むためさばく前にきっておく。切るのは背鰭、腹鰭、臀鰭。胸鰭は毒がないので切らなくてよい。

ミノカサゴは北海道~九州までの日本海岸、青森県以南の太平洋岸、屋久島近海、八丈島に分布。海外では韓国、東・南シナ海、台湾、インドネシアなど西太平洋の一部とサモア諸島に生息する。ハナミノカサゴは千葉県以南の太平洋岸、富山県、島根県、九州北岸、琉球列島、伊豆諸島、小笠原諸島。海外では西太平洋と、インド洋のココスキーリング諸島に生息するものとされている。世界では現状11種が有効とされている。日本産はミノカサゴ、ハナミノカサゴ、ネッタイミノカサゴ、ミズヒキミノカサゴ、そしてキミオコゼの5種。インド洋から中央太平洋(ハワイ諸島にもいる)に生息し、東太平洋沿岸や、大西洋には生息しないとされていた。

しかし近年、西大西洋でミノカサゴの仲間が多量に見つかっている。恐らく、ハナミノカサゴか、その近縁のPterois milesだ。水族館から逃げ出したといわれているが、現在では多量に増えてしまい生態系を脅かしているようだ。現地ではミノカサゴを銛で突いて食べようという試みもなされているが、日本でもミノカサゴは従来から食されていた。カサゴの仲間は、プチフサカサゴのような大きくても体長3cmほどの小型種を除いてみな食用とできるのだ。ミノカサゴも例外ではなく、洋風、和風、中華とさまざまな料理に合う。

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