キュウセンフエダイ

キュウセンフエダイ

このフエダイはもう8年も前に釣ったもの。スズキ目・フエダイ科・フエダイ属のキュウセンフエダイLutjanus rufolineatusという種類だ。

フエダイ属の魚は日本に25種が知られ、このほかに水中写真によってのみ知られているものもいる。日本では関東地方や中部地方以西の太平洋・日本海・東シナ海に生息するが、多くの種は亜熱帯のサンゴ礁域に生息する。

キュウセンフエダイは千葉県でも幼魚は知られているが、普通は和歌山県以南の暖かい海域に生息し、勿論琉球列島のサンゴ礁域にも生息する。成魚は岩礁やサンゴ礁に生息しているが、幼魚は河川の汽水域にも出現する。この個体も高知県の河川汽水域で採集したものだ。数匹で行動するらしく、何匹か釣ることができた。

キュウセンフエダイの特徴は体に9本の黄色の縦縞があるところ。これが名前の由来であろう。

このほかの特徴として特に幼魚期に背中に薄くあまり明瞭でない黒色斑がでることがある。この時釣った個体にもこの黒色斑が見られた。またそれは出したり消したりできるらしい。尾鰭は一様に黄色っぽいが、後縁が薄い暗色の事が多い(生きているときや水中写真だとわかりにくいかも)。また前鰓蓋骨に深い欠刻があるのも特徴。

同じ体に9本ほどの縦縞模様を持つ種にスパニッシュフラッグスナッパーLutjanus carponotatus (Richardson, 1842)というのがいる。この種は西太平洋とアンダマン海に生息するが、日本には生息していない。この種の体側の黄色縦縞模様はキュウセンフエダイと比べると太く、大きいものは茶色っぽくなるようだ。また顔つきもとがっている印象をうけ、写真を見た感じでは小型個体の前鰓蓋骨後縁の欠刻も目立たない。

形質的にも、背鰭棘数が10棘14~16軟条であり同11棘13~14軟条のキュウセンフエダイと異なる。上はキュウセンフエダイの背鰭棘。キュウセンフエダイの背鰭棘はふつう11棘。

もう一種本種に似ているものにLutjanus bouttonというのが知られている。魚類検索の分類学的付記によれば以前はLutjanus rufolineatusはLutjanus bouttonの異名とされていたが、その後両種は其々別種とされたようだ。Lutjanus bouttonは体側の背部に不明瞭な黒色点があるが、目立つ黄色線がないよう。

フエダイの仲間は基本的に食用魚としての価値が高いが、バラフエダイやイッテンフエダイなどのように大きいものはシガテラ毒をもつことがあるため食用にする際は注意したい。キュウセンフエダイは食用になり美味とされるが、この個体は小型であり食用にはしなかった。

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