ハナオコゼとカエルアンコウの見分け方

ハナオコゼとカエルアンコウの見分け方

この季節になると港にたくさんの流れ藻が見られるが、この周辺には様々な魚の幼魚が見られる。そして海藻をすくってみると、兵庫県西宮市から来たような色彩の、なにやら不気味な魚のようなごみの様な何かわからない生き物が獲れたりする。

その写真を撮影してSNSにアップすると、大体「カエルアンコウです」という答えが返ってくるはずだ。しかしそれは実はカエルアンコウではない可能性も高い。流れ藻の中に潜むそんな魚で多いのがハナオコゼだ。

ハナオコゼ 高知県 柏島

カエルアンコウ 熊本県 天草市河原町

ハナオコゼもアンコウ目・カエルアンコウ科の魚であるが、標準和名のなかに「カエルアンコウ」ではなく「オコゼ」という名前があり、アンコウ目の魚と認識され難い。また2007年の「標準和名改名」について、「カエルアンコウ」という名がマスメディアなどに取り上げられたことも、ハナオコゼよりも有名になっている理由だろう。

カエルアンコウ科の魚は、日本に15種いるが、まだまだ未記載種もいるようだ。基本的には海底、磯や砂底、防波堤のへりなどで吻上棘先端のルアーをぴろぴろさせ魚をさそい、捕食するという「ハンター」だ。もっとも最近は魚も気づいているらしく、あまり上手いと言えない泳ぎを披露し小魚を大口で飲み込んで捕食することも。

ハナオコゼは他のカエルアンコウとちょっと違うようだ。流れ藻や浮遊するブイなどにつき、近づいてきた小魚やエビなどを飲み込んで捕食する、待ち伏せのハンター。その兵庫県西宮から来たような模様も、水中では保護色となる。しかも体には小さな皮弁があり、本当に流れ藻の一部のように見えるものである。

ハナオコゼ 体は小瘤状突起で覆われていて、ざらざらしてない。

カエルアンコウ 体は小棘のようなもので覆われ、手触りはざらざら。

ハナオコゼとカエルアンコウの見分け方は簡単である。体を触ればいい。ハナオコゼは体が小さな瘤状のもので覆われているのに対し、カエルアンコウでは小棘に覆われ、体中がざらざらとしている。またカエルアンコウには吻上棘が細くて長くその上に分岐する大きな皮弁があるのも特徴。ハナオコゼの吻上棘はカエルアンコウと比較してかなり短めだ。体には寄生虫も付きやすいようで、天草で釣ったカエルアンコウにも、多数の寄生虫がついていた。

カエルアンコウは探り釣りをしていて引っ掛かって釣れたというケースも多い。この天草のカエルアンコウなど、まさにそのケース。イカダでの探り釣りで釣れたのだった。一方ハナオコゼは流れ藻を探っていたら中に入っていた、あるいは浮かんでいたのを掬ったというケースが多いようだ。これはこの2種の生活様式に由来しているよう。

しかしながらハナオコゼも時には海底に降りるし、カエルアンコウもたまにはぷかぷかと浮かんでいたりする。アンコウ目魚類は日本に90種近くが知られているが、日本においては、防波堤や浅い海で簡単に会うことのできるアンコウの仲間は、このカエルアンコウ科の魚だけ。そのユニークな姿から飼育してみたくもなるが、釣りで採集したものは飼育には向かない。傷ついたり、内臓にダメージがあったり、あるいは空気を吸い込んでしまっていたりするからだ。一方観賞魚店で販売されているものも、他の魚を丸のみしたりすることがある。そしてその魚が強い棘を持つような魚だと、内臓に刺さって問題が起こったりする。やはりカエルアンコウ科の魚はその仲間だけで飼育するのが安心。

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