コブシカジカ

コブシカジカ

今回登場のコブシカジカは以前このブログでご紹介した「ヤマトコブシカジカ」の近縁種である。どちらの種もスズキ目・カジカ亜目・ウラナイカジカ科の魚で、コブシカジカ属に属する。この属の魚は北太平洋から4種が知られているが、日本に生息するのは2種のみ。ただし、ヤマトコブシカジカはコブシカジカと同種の可能性があることや、東海大学出版会の「東北フィールド魚類図鑑」ではこの仲間の不明種が掲載されるなど、この属の魚種は今後減ったり増えたりすると思われる。

↑ヤマトコブシカジカ

コブシカジカとヤマトコブシカジカの区別の方法は、頭部の背面が多数の粟粒状の鱗に覆われるか否かで見分けるのが分かりやすいようだ。コブシカジカは頭部の背面に多数の粟粒状の鱗を有するが、ヤマトコブシカジカにはそれが殆どない。ただし、ヤマトコブシカジカについてはこれらの位置や数については変異がある。先ほど述べたようにこの2種は同種の可能性もあるらしく、確実に見分けられるとは言えず、悩ましい。もっとも分子分類自体確実と言えるかどうかわからないが。

↑コブシカジカの粟粒状鱗

基本的に深海性。水深数100m、時に水深1000mを超える深さの海底に生息しているが、たまにそれよりも浅い場所で獲れたりする。この個体は恐らくキチジなどを獲る刺網にかかったものとお伝えしたが実際には釣りで獲れたもののようだ。以前に同じウラナイカジカ科のニュウドウカジカを送ってくれた友人に送ってもらったものだ。この場を借りて感謝申し上げたい。

ウラナイカジカの仲間はあまり食されないのかもしれないが、実際には美味しい魚ばかりである。先ほどのべた本では「食用にしない」と書いてあるものが多かったが(東北地方で食用にされないというわけではない、イシガキフグなどは「無毒で沖縄県では食用にする.」とされていた)、コブシカジカは同書に掲載されているウラナイカジカ類で唯一食についての記述がなされている。

寒くなってきたということもあり鍋で食べたが、身が淡白で、皮はかなり美味だった。今回の個体は雌だったので、卵も煮て食したがこれがまた旨かった。

これで私が入手した「魚類検索図鑑」に掲載されているウラナイカジカの仲間は6種目となった。あとはヤギシリカジカ・コンニャクカジカ・ウラナイカジカ・トサカジカ・クマノカジカの5種。この5種も入手し、食べてみたいものである。ウラナイカジカ科の魚は顔つきが独特なものが多く、面白いキャラクターがそろっている。

●ウラナイカジカ科

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