日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑

日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑

淡水魚界隈で話題となった「日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑」。先月イーアスつくばの本屋で購入した本なのだが、この本についてちょっと色々書いてみたい。イーアスつくばの本屋(名前忘れた)では3冊もあった。したがってこの間フェイスブック上で、「ブログで書きます」宣言したのは、今日はパス。

ドジョウ図鑑

この本の前半部-学・文化・民族も面白いが、私がすばらしいと感じたのは特にこの後半である。この本の帯には「日本に分布する全33種・亜種を網羅した初めての図鑑!」とあるが、その宣言について全く偽りない。

「日本産魚類検索(第三版)」にも掲載されていない、あるいは亜種として掲載されていないオンガスジシマドジョウ、ハカタスジシマドジョウ、アリアケスジシマドジョウ、最近記載されたオオヨドシマドジョウ、もう滅びてしまったかもしれないヨドコガタスジシマドジョウなども掲載されており、まさしく日本のドジョウ類を扱う最高峰の図鑑といえるだろう。

さらにこの本では最近新しく出てきたドジョウ属3種について新たな和名の提唱も行っている。あとは、カラドジョウの愛媛県産の集団の正体だけだろう。日本産のドジョウは、今「ニシシマドジョウ」「オオシマドジョウ」「ヤマトシマドジョウ」とされているものに新たな種が出てくる可能性もあるが、できればこれ以上増えないで欲しい(=だれかが外国産のドジョウを捨ててしまうのをやめてほしい。詳細は下記)と思う。

ドジョウの保全

この本の前半でも書かれているように、ドジョウの仲間は数が減少しており、アユモドキのように厳重に保護されているものや、トサシマドジョウのように条例で原則として採集が禁止されているようなものさえいる。この本では、採集規制の現状と称しその対象種も明記している。そのようなやり方で保護を行う場合は、採集に規制をかけておしまい、ちゃんちゃん。とされてしまっていることも多いのだが、この本では「一つでも多くの規制が解除され各地にドジョウたちの楽園が出現する未来を期待したい」としているところがうれしい。

その楽園を出現させるためにドジョウ各種ごとに、どのような危機があるかも明記されているところがうれしい。一般には「河川改修」とか「開発」とされがちだが、それについても詳細な評価がなされている。

この本でもタンゴスジシマドジョウなど一部の種についてはなるべく興味本位での採集を控えるように述べているが、このほかにドジョウを守るように3箇条を提言していた。簡単に言えば「放流しない」「売買をさける」「生息地公開に注意」の3つのルールである。この3つのルールについてはこういう本を買うようなドジョウ好き、本当に淡水魚が好きな人については理解している人が多いだろうから、わざわざここで書くかという疑問もあったのだが、この本の美しい写真や挿絵、わかりやすい解説もあり、専門家だけではなく、ごく一般的なアクアリストも含めた新たなドジョウ・ファンをひきつけることも考えられる。そういう意味でも素晴らしい配慮ではないかと思える。お勧めしたい。

写真に写っているもう一冊、宮 正樹氏の本であるが、こちらは難解で、現在読み進めている途中だ。難解だけど面白い。また詳しく紹介したいと思う。

●ドジョウ科

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