ヤナギムシガレイ

ヤナギムシガレイ

▲茨城県久慈産

今日はカレイ目・カレイ科のヤナギムシガレイ。

ヤナギムシガレイ属は本種のみの1属1種。体が細長くて背鰭軟条数は84-102軟条、臀鰭軟条数72-81軟条。口は小さい、有眼側の鰓蓋上端は胸鰭よりも上にある、背鰭や臀鰭に明瞭な帯がない、有眼側の背鰭や臀鰭の縁辺が黒くないなどの特徴で日本の他のカレイ科の多くの種と区別できる。

本種にそっくりなものにヒレグロがいる。「ヒレグロ」なんちゃらと言う魚は多いが、「ヒレグロ」でれっきとした標準和名である。ヤナギムシガレイとヒレグロの違いは、ヤナギムシガレイには眼の上に鱗があるがヒレグロにはないこと、ヒレグロの無眼側頭部には粘液孔があるが、ヤナギムシガレイにはそれがないことなどで区別できる。またヒレグロは有眼側の背鰭・臀鰭縁辺部が明瞭に黒いことでヤナギムシガレイと見分けることが出来る。

▲高知県足摺

「東シナ海・黄海の魚類誌」という本によれば、日本近海産のものと黄海のものではややサイズが異なるらしく、黄海のものは体長35cm位になり、無眼側も黒っぽくなるなどの特徴があるという。其れだけのサイズになるとはと驚かされるが、私も以前足摺沖で30cmを超える本種と思われるものを見たことがある。水深270mから漁獲されたものでかなりでかい物だった。同書によれば日本近海のものは全長32cmを超えるものは極めてすくないという。なお、全長165mmを超えるものはすべて成熟個体とされる。

ヤナギムシガレイの分布は北海道から九州までの日本海、北海道~足摺沖までの太平洋岸、豊後水道、東シナ海。海外では朝鮮半島、済州島、東シナ海北東部、渤海などに分布する。分布という点でも北海道~山口県・千葉県銚子に分布する(愛知県にも?)ヒレグロと見分けることが可能であろう。Fishbaseでは台湾にもいるように書かれているが、本当かどうかは不明。今回は茨城県日立市の久慈沖で採集された個体。中トロ、小型問わず底曳網漁業で漁獲され、地域によってはササガレイと称しているが、ここではムシガレイとして売っていたように思う。「ホンモノ」のムシガレイよりもやや高めのお値段であったが、一夜干しにして焼いたものや、唐揚げは非常に美味しい。なお、学名は従来Tanakius kitaharaiという学名が使われてきたが、魚類検索第三版ではTanakius kitaharaeとされている。もちろんKitahararieではない。

●カレイ科

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