シモフリカジカ

シモフリカジカ

北海道は魚の種類が南方よりは少ないが、個性的な魚たちに出会える。カジカの仲間も種類は豊富であるが、素人目にはなかなか同定しにくいものもあったりする。写真の魚はスズキ目、カジカ亜目、カジカ科、ギスカジカ属のシモフリカジカ。全長30cmほどになり、日本産のカジカの仲間では大きめの種である。

シモフリカジカは北海道沿岸~青森県以南の太平洋岸にすむ普通種。北海道では全沿岸に生息しているが、日本海の分布は北海道をのぞけば青森県、朝鮮半島からロシア沿海州に限定されるようだ。生息地は沿岸の浅瀬、藻場や岩礁域である。

日本産のギスカジカ属魚類は4種。トゲカジカやオクカジカは後頭部に2対の棘があるのに対し、シモフリカジカは2対の皮弁を有することによりこの2種と容易に区別できる。

▲ギスカジカ

シモフリカジカに似ているものに、ギスカジカがある。ギスカジカは北海道~東北地方の沿岸に生息する種で、本種と同じギスカジカ属の代表的な種である。ギスカジカも後頭部に2対の皮弁を持つのが特徴だ。ギスカジカは大きくなり、体長40cmを超える。

この2種を見分けるにはどうすればよいのか。それは腹面を見れば良い。シモフリカジカの腹面の模様(とくに肛門より前方)は縁辺部にのみあるが、ギスカジカの模様は中央部に近づく。

▲シモフリカジカの腹面

▲ギスカジカの腹面

また眼隔も、ギスカジカの方が広い。シモフリカジカの眼隔も広かったが、ギスカジカはさらに広かった。ただし、地域によって眼隔が広いものなどあるかもしれない。この写真の個体は北海道産ではなく、岩手県産である。ギスカジカ属はさまざまな種が記載され、和名もつけられているが、変異個体とされたものも多い。

▲シモフリカジカの眼隔

▲ギスカジカの眼隔

日本のギスカジカ属魚類は4種いるがいずれも食用となっている。肉だけでなく肝臓や卵、胃なども一緒に汁物にいれたら極めて美味しい。今回の個体は雌で卵を持っていたがこれも美味であった。坂口太一さんに感謝です。

●カジカ科

シェアしてね

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSやってます