ミナミフエダイ

ミナミフエダイ

もう5月も4日目です。早いもんです。つい何日か前までは寒くて暖房をたいていたように思うのですが。

写真の魚はスズキ目・フエダイ科・フエダイ属のミナミフエダイ。実は日本ではまれなフエダイなのだ。

ミナミフエダイは体側に大きな黒い円形斑があること、体側の背部から腹方にかけてオレンジ色の縦線が複数本あるのが特徴。これによりニセクロホシフエダイに似ているが、体側の背部、側線上にある大きな黒色斑の形が、楕円形に近いのが多いような感じがするニセクロホシフエダイのものよりも明らかに丸くて大きいのだ。

▲ニセクロホシフエダイ

▲体側背部の模様が円形に近い個体。これもニセクロホシフエダイだ。

もちろんニセクロホシフエダイにも円形のものがいる。そのためニセクロホシフエダイとは、他のやり方で同定する必要がある。ミナミフエダイの側線より上の鱗は側線とほぼ平行に走り、ニセクロホシフエダイの側線より上の鱗は斜め上後方に向かうのが特徴だ。しかしちゃんとピントが合う写真を写していないと、これらの特徴は分かりにくい。このような鱗の特徴は死後わかりやすくなるように思う。ニセクロホシフエダイの写真を撮影したが光がつよくあたっていたりぼけぼけーだったりして、特徴が分からなかった。オキフエダイやイッテンフエダイなどの種も同じような鱗の特徴を有するのでご参考に。

▲ミナミフエダイの鱗

▲オキフエダイの鱗。本当はニセクロホシフエダイの鱗の様子が分かる写真が有ればよかったのだが。

ミナミフエダイは日本では八重山諸島(石垣島・西表島)にのみ生息するといわれている。宮崎にもいるという話もどこかで聞いたことがあるような気がするのだが、詳細はよくわからない。海外における分布は紅海・東アフリカ~マリアナ諸島までのインド-西太平洋域だ。生態はニセクロホシフエダイとよく似ていて、小型個体はマングローブ域にいるが、大きくなるとサンゴ礁域で見られるようになる。写真の個体も西表島の河川、マングローブ域で2009年に採集されたものを2匹も頂いた。海外では食用になるようだが、日本ではまれにしか獲れないので、食用にされるかはわからない。

なお古い図鑑ではミナミフエダイとLutjanus johnii、通称ジョンズスナッパーがごっちゃになってることがあるので要注意。たしかに両種とも大きな円形の斑が体側の背部にあるのが特徴であるため混同されていたのかもしれない。Lutjanus johniiのほうは体側の鱗に大きな黒色点があるように見える。なお、Lutjanus johniiのほうは近年宮崎県南部で採集され、カドガワフエダイという和名がついている。

シェアしてね

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSやってます