ドジョウ放流

ドジョウ放流

▲ドジョウ 茨城県産 体高が高く体は短い。

▲ドジョウ 岐阜県産 体高は低く体が長め。上の個体とはちがう雰囲気だ。

最近、妙に気になる養殖がある。淡水魚の養殖だ。

淡水魚はヒト、とくに内陸のヒトにとって身近な存在であり、昔から様々な魚が養殖されていた。コイ、アユ、サケマスの類、フナ、ドジョウ、ナマズなど。食べるもののほかにニシキゴイ、キンギョ、ヒメダカ、最近はカラフルなメダカなどの観賞魚、ニジマスやヘラブナなど釣りの対象魚など。

これらの魚の養殖にはいくつか方法がある。河川Aから水をひき、そのA河川にすんでいた魚を養殖池に隔離して養殖する方法。それ以外の多くの方法は、よそから魚を持ってくることになる。

それでも逃げないようにきちんと管理していれば問題ではないが、それが逃げたら「外来魚」となってしまう (もっとも先ほど述べた方法でも、病原菌や寄生虫などの問題があり逃げたら問題になるおそれがあるが)。

何度かこの手の問題についてはこのブログで延々と、人によってはうんざりするくらい取り上げてきた。とくに先月大阪府で行われた魚類学会主催のシンポジウムの後、放流問題をなんとかしようとする機運が、淡水魚愛好クラスタの間ではさらに高まってきているように思われる。

その大阪と言えば、去年に泉佐野で、キンギョの大規模な放流があった。あれほど色々な人から非難されていたが、結局今年も開催された。今年は逃げないように網を張るなど工夫していたが、実際にはそのような網を張っていても病気や細かい寄生虫、病原菌などはすりぬけてしまう。結局今回の大阪府のシンポジウムで、キンギョ放流を行った団体を招くことができなかった(個人で参加していたかどうか不明)ことがすべてだといえる。

そんな大阪府にある河内長野市で、またもこのようなことがあった。

稲作よりももうかる?府が遊休農地でドジョウ養殖へ (朝日新聞デジタル)

ようは、遊休農地となっている水田に水をはり、ドジョウを養殖しているというのだ。それならば「ああ、土地の有効利用か」と思う人がいるかもしれない。しかし、大事なことがある。

「そのドジョウはどこから来たのか」

今回養殖に使ったのは河内長野産のドジョウではなく、島根県安来産のドジョウを放流したという。写真を見たが、あのような田んぼでは雨が降ると土壌がくずれ、そこからドジョウが逃げてしまう可能性がある。ようは外来魚の放流につながってしまうようなことをしたということだ。

タイトルに「稲作よりもうかる?」との文字がある。簡単に言えば、稲作よりも金儲けに適している?ということだ。人間は、金もうけのため自然環境を損ねてきた。ダムを作ったり、無駄な公共工事をしたり。近年はメガソーラーによって発電されるごくわずかな電気のために多くの生き物の生息地を奪っている。最近は生物学者や省庁の人間が「採集ガー」などと言っているが、実際に一般的な愛好家の採集によってその地域からいなくなる生物はわずかな量であり、獲り子などによる乱獲さえ防げば採集することでいなくなるなんていうことはありえないのである。

一方でイタセンパラやアユモドキのような魚ははたして採集を禁止したところで増えただろうか?従来身近であった生物が姿を消したと嘆く人も多いが、それはたくさん採集してしまったからいなくなったのか?

採集を禁止して守ろうといっている人たちは、はたしていつ、その問題に気が付くだろうか。それとも中川雅治が催眠術を解くだろうか。環境開発、メガソーラー、放流、業者や獲り子による乱獲、不法投棄。これらは日本人がもっとも得意とするところである。

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