キマダラヒメダイ

キマダラヒメダイ

おはようございます。今日はもう12月6日。もう今年もあとひと月です。毎年年末は忙しいので書くのを忘れてしまう前に、この間食したスズキ目・フエダイ科・ヒメダイ属のキマダラヒメダイのことを。

キマダラヒメダイは今回初めて入手した深海性フエダイの仲間。深海性フエダイというとカタイ雰囲気だが、何ということはない。ウメイロ、ハマダイ、オオグチイシチビキの仲間など、やや深い海にすむフエダイの仲間だ。

ヒメダイの仲間は、「アカマチ」などと呼ばれ高級魚とされているハマダイの仲間とちがい比較的安価である。日本では8種いるようだが、関東近辺で普通に入手できる種類はヒメダイとオオヒメくらいである。

このキマダラヒメダイは、実はかなり珍しい。これまでヒメダイを何十個体、何百個体も見てきたと思うが、このキマダラヒメダイは実物を見たことさえ今回が初めてなのだ。

ヒメダイとの見分け方

▲ヒメダイ

キマダラヒメダイは、ヒメダイ属のなかでも側線有孔鱗数が多い(70~74)グループに属している。同じように側線有孔鱗数が70を超える日本産種はほかにヒメダイのみが知られている。

ヒメダイ属の標準和名にもなっているヒメダイは伊豆諸島・小笠原諸島、琉球列島に多く生息しているが、小型個体は神奈川県三崎以南の太平洋岸でも採集されている。海外では東アフリカ~ハワイに分布しているとのことだが、衝撃的なことに、南東大西洋のベマ海山でも1個体だけ採集されているとFishbaseにある。ヒメダイの学名はPristipomoides sieboldiiというがこの種小名はシーボルトに捧げられた名前のようだ。

この2種を見分ける方法はいくつかあるが、鋤骨歯帯の形が変わっている。ヒメダイの鋤骨歯帯は後方に伸びるのだが、キマダラヒメダイは三角形をしている。またヒメダイは舌上に歯があるのに対し、キマダラヒメダイにはそれがない。

しかしこの2種を区別するもっと簡単な方法がある。それが体の色彩だ。キマダラヒメダイの体にある黄色の「く」の字のような斑紋や尾鰭上葉が明瞭に黄色いという特徴は明らかにキマダラヒメダイと他のヒメダイ属を区別することができる特徴だ。

▲ヒメダイの尾鰭

▲キマダラヒメダイの尾鰭

日本にすむヒメダイ属

▲食べてきたヒメダイ属

これまでも私は多くの方々からのご厚意により日本産ヒメダイ属魚類のうち6種を食べてきた。

日本産の8種のうち、まだ食べたことがないのはナガサキフエダイとバラヒメダイだ。この2種は側線有孔鱗数が48~52と、他の種(58~74)と明らかに少ないタイプだ。どちらも本州から九州ではあまり見ることはなく、基本的に琉球列島の産だ。とくにバラヒメダイは沖縄諸島以南に分布するが数の少ない珍しい種類。この魚を見たらぜひ送ってほしいのだ。もちろん名前が似ているバラフエダイは遠慮しておきたい。

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