ヤマトシビレエイ改めツキミシビレエイ

ヤマトシビレエイ改めツキミシビレエイ

以前、このブログでも「ヤマトシビレエイ」という記事を書いた。ヤマトシビレエイはやや深場に生息するシビレエイの仲間。

しかしこの写真の個体はどうやらヤマトシビレエイと別種であることが分かった。近縁のツキミシビレエイTetronarce formosa (Haas and Ebert, 2006)のようである。ツキミシビレエイは学名にformosaとあるように台湾産をもとに新種記載された種で、台湾固有とされていたが、最近の論文で南日本の太平洋岸に広くいることが分かった。

▲ツキミシビレエイの尾

体盤が楕円形であること、背面が紫がかった暗色であること、尾鰭後縁が湾入しないことにより、それぞれ円形、黒褐色、湾入するヤマトシビレエイと区別できる。その論文にはヤマトシビレエイの写真も掲載されていたが確かに円形の体盤と、三日月状の尾鰭が独特である。

また分類タクソンの名称も変更されている。従来ヤマトシビレエイ属の学名はTorpedoとされていたが、従来Torpedoの亜属であったTetronarceが属に昇格しており、ヤマトシビレエイ属の和名はTetronarceが当てられる。ヤマトシビレエイ属の魚はヤマトシビレエイ、ツキミシビレエイのほか、ゴマフシビレエイの計3種が日本に分布する。世界では太平洋、東インド洋、大西洋に分布しおよそ12種が知られる。Torpedo属は東大西洋と西インド洋に分布しており、約11種が知られる。

またシビレエイ目そのものの分類体系も変更されていて、「魚類検索第三版」では日本産シビレエイ目をすべて1科にまとめていたが、タイワンシビレエイ科、シビレエイ科、ヤマトシビレエイ科という新しい標準和名をつけた。タイワンシビレエイ科やヤマトシビレエイ科は確か図鑑「日本の海水魚」でついていたが、今回の新しい論文により新称がつくまでは「勝手につけていた」ということだろうか。

論文

萬代あゆみ・松沼瑞樹・本村浩之. 2017. 日本初記録のヤマトシビレエイ科魚類ツキミシビレエイ(新称)Tetronarce formosaと本種の標徴に関する新知見,および近縁種との形態比較.魚類学雑誌, 64:157-170.

●シビレエイ科 ●ヤマトシビレエイ科

シェアしてね

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSやってます