こんばんは。久々にぶろぐを更新。最近は夜田んぼの中の一本道を走るのが日課になりつつある。理由はポケモンGO。5km歩いてポケモンのタマゴをかえしたり、アメを集めたりと忙しいのである。
▲オウムブダイ
さて。
Twitterではそうでもないのだが、Facebookのコミュニティなどで、この魚は何ですか?と聞かれることが最近多くある。だいたい私は最初に書き込みを入れ、その魚を適切に同定し、質問者が納得いきそうな答えを導き出すのである。
もちろん魚系のコミュニティに顔を出す人は魚について詳しい人もいる。しかし最近はどうも様子が変だ。最近あるコミュニティで、アオブダイ属のオウムブダイの画像をアップロードされた方がいる。ほかの方が「アオブダイ」と答えており、ここで訂正しオウムブダイです、と返信した。
しかしそのあともこの投稿に「アオブダイです」という書き込みをしてきた人が多数いる。私はそれに対して返信していく。しかしそれで「むかつく」こともあるのだ。
▲アオブダイ
正直いって、魚の種類についてきかれて返答するならば、少なくともその種類を図鑑で確認するなりしてほしいところだ。アオブダイは稚魚はそうでもないが、ある程度大きくなると独特な顔つきとなり大きくなると頭部がこぶ状になる(雌雄ともなるようである)ため、ほかのブダイと間違えることはない。オウムブダイは太平洋の島嶼域のサンゴ礁に多く見られ、その分布域はハワイ諸島にまで達する。個体の変異も多いがアオブダイとは頭部の形状をみればまず間違えることのない種類である。
そして厄介なのは「アオブダイ=毒魚」とされていることだ。実際にアオブダイは何度かパリトキシンによる中毒例があり、手もとにある本(野口玉雄 著「フグはなぜ毒をもつのか」)でも1953~95年の13例の中毒事故と5人の死亡例を挙げている。現在は実際に販売が規制もしくは自粛されているらしい。
一方アオブダイ属は日本にも22種(と写真のみ記録がある1種)が分布し、同じScarinaeに含まれるハゲブダイ属やイロブダイ属もあわせて32種が知られている。沖縄ではアオブダイはほとんど見られず、同じようにコブのあるナンヨウブダイ(沖縄ではゲンノーイラブチャーと称され食用種)なども、オーサー以外の人物によるチェック・監修のない本やサイト、Youtubeの動画などでは「アオブダイ」と記述されていることがある。
ほかにも、例えばチゴダラという浅海から深場にすむタラ目の魚は「どんこ」と呼ばれているのだが、その魚を紹介するのになぜか淡水魚のドンコの画像が出てきたりする。どんこの刺身なんていっている人もいるが、チゴダラならまだしも、淡水魚のドンコの刺身なんて食べたら危険である。
いまではWordpressなどの登場で誰もが自由にサイトをつくることができるようになったし、デジカメの3万円ほどの機種を1つ購入しアカウントを作ればだれでもYoutubeで情報を発信することができる。しかしこれが正しいことなのかは疑問である。情報が簡単に手に入るようになったがその一方、眉唾、でたらめ、そして首をかしげたくなるような情報もたくさんある。つまりその情報が正しいものかどうか考えなければならないのである。
最後に魚の同定で役に立ちそうなサイトをご紹介したい。
で調べるのが一番手っ取り早いだろう。弱点としては市場魚介類図鑑はコンテンツが充実してもコミュニティがないこと(質問不可)、WEB魚図鑑はすぐに魚写真がサイトに登録されること(チェック後回し)、魚類写真資料データベースはあくまでデータベースであり食えるかどうかの情報がないこと、写真が標本写真か水中写真に偏っていることであろう。
もちろんこれらすべてが絶対というわけではない。魚の同定について「絶対正しい」「100%正しい」はないのだ。
コメント
お邪魔します。
よーーーくわかるお話、ためになります!
同定に絶対はないのだけど、明らかにというのも多いですよね。
ブックマークしました。
これから時々寄らさせていただきます!
さいとうさん、いつもお世話になっております。こちらでもよろしくお願いいたします。